やっぱり、ソフトウェアを理解するには使ってみるのが 一番ということで、3種類のVESMAのクライアントの中で メインに開発している2次元のクライアントを用いて簡単な 操作を紹介します。実のところ、内輪でもVESMAの クライアントのGUIはわかりにくいという定評がある(;_;)ので、 これから先、操作方法が変更されることがあると思いますが 仮想空間の構造や、そこでの移動、 仮想空間内のオブジェクトの概念などはまず変更が無いと思い います。一つ、そのへんのところに注目してVESMAの操作をチェック してみて下さい。
VESMAをどのようにインストールしたかによって起動の方法は 異ってきます。インストールとセットアップ の節を見て起動して下さい。
VESMAを起動した直後に最初に現れる小さなウィンドウでは、様々な 起動時の設定を変更することが可能です。例えば、クライアントの 種類を変更したり、他の人があなたのVESMAにアクセスする時の サーバ名などが設定できます。でも、ここではなにも変更せず 「OK」ボタンをクリックしてみて下さい。
次に表示されるのはログインのためのダイアログです。 ユーザ名とパスワードを入力してOKボタンを押して下さい。 これで、VESMAを使い始める準備がととのいます。
まず、始めにやってみて欲しいのがオブジェクトの作成です。 オブジェクトの作成の操作は2段階に別れています。1段目は オブジェクトの種類を指定する操作です。これはメニューバ から操作します。メニューバの「object」をクリックして リストを出します。VESMAで提供される様々なタイプの オブジェクトが表示されますが、ここでは「VHtml」を選択 してみて下さい。これはHTML、つまりWebページのデータを表示する ためのオブジェクトです。これを選択しただけでは、まだ なにも起りません。実際にオブジェクトを作成するのは2段目の 操作です。[Alt]キーを押しながらクライアント上でマウスを クリックして下さい(ボタンが3つ着いているマウスを使って いる人ならば真中のボタンを押すだけでいいです。Macの 場合を調べて書くこと)。 新しいアイコンが表示されたと思います。1段目の操作で一度 オブジェクトの種類を設定しておけばクリックした分だけオブジェクトが 作成されます。作成されたオブジェクトはマウスの左ボタンで普通に ドラックすれば、場所を移動できます。すでに作成されたオブジェクトの 上で、[Alt]キーを押しながらクリックするとオブジェクトが削除されます。 上の例ではVHtmlオブジェクトを作成してみましたが1段目の操作で別の オブジェクトを選択しておけば、別のオブジェクトも作ることができます。
オブジェクトも、ただアイコンとして表示されるだけではあまり 有難くありません。VESMAのオブジェクトにはそれぞれカスタマイザ と呼ばれる機能があります。もともとはオブジェクトをカスタマイズ するための機能なのでカスタマイザと呼ばれていますが、その利用方法 は機能のカスタマイズだけではありません。VHtmlオブジェクトに関して 言えばWebページを表示するための機能が設定されています。 さきほど作成したVHtmlオブジェクトをダブルクリックしてみて下さい。 デフォルトのHTMLデータが新しいウィンドウ上に 表示されます。URLの入力欄に好きなURLを入力すると別のページが 表示できます。(現在VESMAのVHtmlオブジェクトにはproxyの機能が 無いので、ファイアウォール内でVESMAを使用している場合には ファイアウォール内のURL(file:///c:/test.htmlなど)を指定して下さい。) 「done」ボタンを押すとウィンドウが閉じます。
上の例ではVHtmlというオブジェクトを操作しましたが、他のオブジェクト の操作もほぼ同様です。ダブルクリックすればカスタマイザが開き、そこで いろいろなことを行ないます。また、Musicオブジェクトなどの一部のオブジェクト では、アイコンにボタンなどのGUIが附属しており、これをクリックすることで 反応するオブジェクトもあります。それぞれのオブジェクトの操作に関しては こちらのページに載っています。
移動には2種類あると考えられます。一つは一つのサーバの中だけの移動で、 もう一つは、サーバを越えた移動です。
キーボードの上下左右のキーを押せば簡単に移動できます。 もし、身の回りに何のオブジェクトもなければ、 自分が移動していることに気付かないでしょう。 というのはVESMAでは自分がつねに中心に表示されるように なっていますので、実際には自分の身のまわりのものが自分と 反対方向に移動することで、自分が起動していることが別ります。 ちょっと操作性が悪いですが、今後に期待して下さい。
また、サーバ内にある複数の空間の間を移動するのも簡単です。 オブジェクトの操作のところで説明した方法にしたがって、 「Room」オブジェクトを作ってみて下さい。名前はRoomですが、 アイコンとしては小屋として表示されます。自分のアバタを この小屋めがけて体当りさせて下さい。まわりの景色が変り 別の空間に移動したことが別ると思います。こんどは「Exit」 オブジェクトを作ってみて下さい。このオブジェクトに体当りすれば 外の空間に出ることができます。
こんどはサーバの外部、つまり別のサーバに移動してみたいと思います。 当然ながら、外部のサーバに移動する前に、外部のサーバを起動しておく 必要があります。コンピュータネットワークに接続された別のパソコンを 用意して下さい。そのパソコンにもVESMAをインストールして、いままで 同様にVESMAのクライアントを起動しておいて下さい。 [*unresolved*]の節でも説明したように、 VESMAのクライアントを起動すれば自動的に サーバも起動します。(サーバだけを起動する方法はELM-VEのマニュアルを 参照して下さい。) VESMAは始めに起動した段階では、セキュリティの関係上どことも通信できない 状態になっています。まず、それを解除して通信できる状態にしてみましょう。
VESMAクライアントのメニューバの「config」を選択し「pubSpace」タブを 選択して下さい。ここでは、サーバの外から見ることができるオブジェクト を指定しておきます。今回はここに「/transporter」を設定して下さい。 tの前のスラッシュをお忘れなく。さらに、「import」タブをクリックして 「S_ADDRESS 172.17.213.114 255.255.255.255 ACCEPT」という 項目を加えて下さい。[172.17.213.114]のところは通信相手のIPアドレス です。さらに、さらに、「export」タブをクリックして 「D_ADDRESS 172.17.213.114 255.255.255.255 ACCEPT」という 項目を加えて下さい。違うところは一番最初の[S_ADDRESS]と[D_ADDRESS] だけです。この設定は、通信を行なう両方のVESMAで行なう必要があります。
やっと準備がととのったところで、[*unresolved*]の ところで説明した方法で「Link」オブジェクトを作成してください。 これは、他のサーバと継がるゲートのような物と考えて下さい。この オブジェクトをダブルクリックして、どのサーバと接続するのか、設定を 行ないます。設定欄には「//172.17.213.114:1099/VESMA」と入力して下さい。 1099はポート番号で、変更していなければ自動で1099になります。VESMAの 部分はサーバ名でこれも、変更していなければ自動でVESMAに設定されます。 「Done」ボタンを押せば終りです。
それでは、実際にネットワークを越えて別のサーバに移動してみたいと思います。 Linkオブジェクトに体当りして下さい。ユーザ名とパスワードが聞かれますので 向こうのサーバでのユーザ名とパスワードを入力してください。しばらくすると、 向こうにサーバに移動したことが別ります。VESMAの設定変更から向こうのサーバ までの移動はちょっと大変な作業ですが、次からはLinkオブジェクトに体当り するだけです。特に良く行くサーバがあれば、それに対応するLinkオブジェクトを 作成してLinkオブジェクト集を作っておくと便利でしょう。
向こうのサーバにいってもアバタはこちらのサーバにいるのとまったく 同じように操作できます。向こうのサーバからこちらのサーバに戻るには おなじようにLinkオブジェクトを使うこともできますが、面倒な場合は VESMAクライアントのツールバーにある「home」ボタンを使えば、あとは ユーザ名とパスワードを入力するだけです。
以上で説明したVESMAの操作方法は、Swingを用いた2次元クライアント特有の 操作方法です。ただし、VESMAではこのような操作法以外にコマンドラインに よる操作が可能です。他のサーバに移動する時には 「go //172.17.213.114:1099/VESMA」というように入力するだけです。 昔からのUNIXユーザなどには、こちらのほうが使いやすいという人も 多いと思います。このようなコマンドによる操作方法に関してはELM-VEの マニュアルに詳しく載っています。